堅豆腐をはじめ、がんもどき、あげなどを詰め合わせたとやまものオリジナルセット。
五箇山の伝統食「堅豆腐」
豆腐に鎹(かすがい)、豆腐メンタル。「豆腐」はときに、柔らかさや脆さの象徴とされることがある。しかし、南砺市・五箇山の伝統食「堅豆腐」は、縄で縛っても形が崩れないほどにしっかりとしていて、一般の豆腐のイメージとは少し違う。水分が少なくタンパク質が凝縮、日持ちもするため、雪深いこの地区では古くからタンパク源として重宝されている。『ねこのくら工房』で、五箇山に伝わる堅豆腐の話を聞いてみた。
無添加へのこだわり
『ねこのくら工房』の豆腐づくりの大きなこだわりが、合成添加物を使わないこと。原材料は、富山県産大豆「エンレイ」に、天然のにがり、山の湧き水を使用している。大豆を煮沸するときに発生する泡は、取り除くのが豆腐づくりのセオリー。ここでは消泡剤を使わずに網ですくって泡を取る。身体にやさしく、食べたときの後味が良い豆腐に仕上げている。
揚げてわかる、素材の違い
工房の豆腐を作っている隣の部屋では、豆腐を使った加工品が作られている。握りこぶしほどの大きな「がんもどき」には、タケノコやニンジン、ズイキなど7種の具材が使われている。各地へ評判が広がり、今ではがんもどきの委託製造もおこなっているという。圧搾法で抽出された菜種油で揚げられるのは「あげ」。低温から高温へ移して、20分ほどかけて2度揚げされる。分厚く大きいが、油っこさを感じないのは、素材を厳選しているからこそ。
地元事業者との繋がりで、五箇山を盛り上げる
商品の素材や背景を聞くと、たびたび地元の生産者や事業者の名前を耳にする。堅豆腐を漬け込んだ「平家漬け」シリーズをはじめ、地元農家のトマトでゼリーを作ったり、お菓子屋さんに豆乳を卸したりもしている。2022年6月から五箇山を中心に販売が始まった「堅豆腐の缶詰」もその一つで、『JAなんと』と共同で開発した。通常は日持ちが5日ほどの堅豆腐が、缶詰にすることで約3年も保存できるようになった。手土産としても防災の備蓄食としても、今後の展開はさらに広がりそうだ。
伝統食を現代食へ
大豆の消費を促進したいと、大豆を使ったテリーヌやソーセージ、ベーコン、餃子など、さまざまなアレンジ商品に着手してきた『ねこのくら工房』。「コンビニなどでよく見かけるようになったプロテインバーは、まさに昔からある五箇山の堅豆腐ですよ」と、食彩師の細川さんは笑って教えてくれた。堅豆腐のおすすめの食べ方を聞けば、サラダやトマトでイタリアン仕立てにする豆腐ステーキなどの食べ方が真っ先に出てきた。伝統食を現代食へ。日々の食卓に取り入れることで、地域の伝統をこれからも繋いでいく。
【「ねこのくら工房」とやまものセット】
内容量 | 堅豆腐×1丁、殿様がんも×2個、鎧揚げ×1袋、平家漬け(ゆず味噌)×1袋、赤かぶ漬けor赤かぶの缶詰め×1袋(※赤かぶ漬けが品切れの場合は、赤かぶの缶詰に代わります。)、ゆず味噌ドレッシング×1本 |
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原材料 | 堅豆腐:富山県産エンレイ大豆100%(遺伝子組み換えでない)、凝固剤(マグネシウム含有食品)/ 殿様がんも:丸大豆(富山県産)、人参、ごぼう、椎茸、舞茸、たけのこ、ずいき、れんこん、銀杏、大和芋、菜種油、凝固剤(にがり)/ 鎧揚げ:富山県産エンレイ大豆100%(遺伝子組み換えでない)、凝固剤(マグネシウム含有食品)、菜種油 平家漬け(ゆず味噌):丸大豆(富山県産)、味噌(大豆、塩)発酵調味料、砂糖、水飴、ゆず、凝固剤(マグネシウム含有食品)/ ゆず味噌ドレッシング:みそ(大豆を含む、国内製造)砂糖、醸造酢、米発酵調味料、ゆず果皮、澱粉、赤唐辛子塩蔵、ゆず果汁、寒天 |
賞味期限 | 約5日間~(商品により異なる) |
クール便でお届け。要冷蔵(10℃以下)
ねこのくら工房
2005年、木工職人だった店主が始めた豆腐工房。合成添加物を使わないことにこだわり、自然素材を活かした商品を提供している。また、地元の事業者との協業も積極的で、地産地消にも貢献。五箇山の「堅豆腐文化」をさまざまな方法で伝承する。