ななぴかりヨーグルト

地域の学校給食を支える

学校給食を頭に思い浮かべたとき、ほとんどの人が食べ物のそばに牛乳を描くことだろう。南砺市福光の『水口ミルクプラント』は、牛乳屋として90年以上の歴史があり、今でも1日に8,000本ほどを学校給食として出荷している、地域に密着した企業だ。立山連峰や医王山、そこから流れ出る河川などの自然の恩恵を受けて育った、県西部の生乳を中心に使用している。工場から1時間圏内の牧場から仕入れることで、常に新鮮な生乳を使い、おいしい牛乳を届けている。

学校給食をはじめ、道の駅などでも販売している
毎日新鮮な牛乳を届けている

生乳の可能性を広げる新展開

近年、全国的に「牛乳離れ」がニュースとして取り上げられるように、同社もその風潮を肌で感じているという。しかし、牛乳は原料がシンプルなだけあって、メーカーの個性を際立たせることが難しいのも事実である。そのような状況下で、2023年4月から始めたのがヨーグルトの製造だ。ヨーグルトは、乳酸菌の種類、発酵の時間や温度などによって食感や味わいに大きく違いが出る。そこに着目し、ヨーグルトを通じて乳製品の良さを再認識してもらうために、新たなスタートを切った。

無糖と加糖の2種類で展開する
『ZUCCA』という店名で、ジェラート店も展開

ゆっくりとおいしくなる「ななぴかり」

ヨーグルトの名前は「ななぴかりヨーグルト」。かわいらしい響きの名は、福光の「光」と才川七地区の「七」をかけ合わせて名付けられ、親しみやすく地域性を持っていて同社の歴史をそのまま反映しているよう。時間をかけて製造されるのが特徴で、90℃で殺菌した後、35℃前後で24時間かけて発酵させ、さらに24時間かけて冷却する。じっくりと時間をかけて発酵させることで酸味を抑え、冷却させることでもっちりとした食感を海生み出している。

もっちりとした食感が特徴
熱伝導の良いアルミのパウチに詰めている
ヨーグルトの出荷は、1日に200袋ほど

ヨーグルトを日常食に

酸味を抑えながらもさっぱりと、口どけはなめらかだが食べ応えがある「ななぴかりヨーグルト」は、食べる人や場面を選ばないバランスの取れたヨーグルト。食事に置き換えても満足感があり、もちろん、おやつやデザートとして食べるのにも最適。ほかにも、肉を漬け込んだり、ソースにしたりして料理に応用するのも、スイーツの材料にするのも使いやすいと好評。今後は、日常食としてさらに生活に浸透していくことを期待している。

フルーツとの相性もよい
素材の味を引き立ててくれるので料理にも使いやすい
冷蔵庫にも備えておきたい