富山は米どころ
富山県のシンボルでもある北アルプス・立山連峰は、美しい景観の観光地としてだけでなく、富山の農業にも大きな恵みを与えている。山々から流れる雪どけ水は、夏場でも冷たいまま水田に運ばれ、豊富に含まれるミネラルは肥沃な土壌をつくり出す。古くから良質米の産地である富山県は、主食用米だけでなく、「種もみ」の産地としても知られており、全国で流通する約6割の「種もみ」を供給している。
主力品種「コシヒカリ」
県内で作付けされるお米のうち、65%を占めている「コシヒカリ」。もちもちとした粘りのある食感が特徴で、甘み・香り・つやが豊かでバランスの取れた品種。富山県をはじめ、全国的に食されている。白米だけでも十分に旨みが感じられるが、魚や発酵食などの北陸の食べ物と楽しむのも良い。
富山生まれの新たな主役「富富富」
2017年の秋にデビューした富山の新しい品種「富富富(ふふふ)」。ネーミングは、「富山の水」、「富山の大地」、「富山の農家」が育てた富山づくしのお米であることを表している。「富富富」は、夏の高温や病気に強く、農薬や肥料を減らした環境にやさしい栽培が可能になるため、これからの時代にあったお米と言える。粒立ちがよく、噛むほどにうまみ、甘みが口の中に広がる。冷めても硬くなりにくく、おいしさが保たれるため、普段の食事にはもちろんお弁当やおにぎりなどスポーツ中のエネルギー補給食としてもおすすめ。
さっぱり食感「てんたかく」
富山県から生まれた品種は、「富富富」だけではない。2010年から本格的に栽培が始まった「てんたかく」は、「コシヒカリ」や「富富富」よりも収穫時期が早い早生(わせ)品種。食感は粘りすぎず、さっぱりとした味わいのため、寿司のシャリに使われることも多い。
甘みの豊かな「てんこもり」
「てんこもり」は、「コシヒカリ」より遅く収穫する晩生(おくて)品種。「コシヒカリ」より収量が多く、品質も安定している。甘みが強く、つやがあり、大粒でしっかりとした食感があるので丼ものなどの料理に適している。