特集富山の技術を活かしたファクトリーブランド

約半世紀にわたり銘板づくりをしている『富山プレート』には、超微細な金属加工やエッチングなど特殊技術がたくさんあります。

ものづくりの精神が息づく現場から

『富山プレート』は、アルミやアクリル製の銘板、薄板や非鉄金属への鮮明な印字・超微細加工、レーザーエッチング・マーキングといった、特殊技術を生かした事業を展開している。代表取締役の西島ことぎさんは、2011年に事業を継承。リーマンショックの影響で、国内の銘板屋の廃業が相次いだ時期だった。「当時からネット受注をしていたこと、多くの産業でロボットが活躍し、工場が無人化するなかでも銘板の需要が存在していたことが今日につながっている」と話す。代表就任を機に、新規事業の必要性を強く感じるようになったという。

剣岳を間近に望む、自然豊かな場所で製造をしている
代表取締役の西島ことぎさん(右)

自社技術を新規事業でも発揮

西島さんが最初に企画したのは手捺染(てなせん)のスカーフだった。だが、製造には自社工場のスタッフがかかわる場面がまったくなく、新規事業に迷いを抱くなかで展示会に出たとき「空気の器」が目に止まった。紙の印刷・加工をしている会社の商品だった。「自社の技術を生かした製品を作っておられることに感動しました」と話す。「空気の器」の企画・プロデュースを手がけた萩原修さんへ依頼し、建築家やデザイナーとコラボして『富山プレート』ならではの新ブランドを立ち上げることにした。

従業員12人で企画やアイデアを出し合っている
銘板はインクをのせて、手作業で丁寧に仕上げる

『富山プレート』の可能性を広げるブランド

新ブランドは「プレートピクニック」と名付けられた。ブランドでは、金属や非鉄金属、アクリルなど多彩な素材を扱い、エッチング(印刷)によって着色したり特殊機械で薄い金属を細く切ったりする、自社の技術力を発揮したものづくりをすることになった。そして、萩原さんの紹介で、大寺桂さん、寺田千夏さん、三星安澄さんの3人にデザインを依頼。高岡在住の大寺さんだけでなく、県外在住の寺田さんと三星さんも工場に来て、自社の技術や職人の仕事を見てもらい、日常で愛されるものを考えてもらった。

ホログラム印刷を施したこだわりのパッケージ

Linked accessories
富山プレート

精密金属レーザーカットの技術で作られた、オールサージカルステンレスのアクセサリー。

compass disk
富山プレート

半円状にカットしたステンレスディスクでできた、卓上型のオブジェ。

BIRD MIRROR
富山プレート

鳥のシルエットをモチーフにした、組み立て式のアクリルミラー。

関連特集

富山プロダクト

富山クラフト

八尾の手仕事

人気特集ランキング