紅ズワイガニ

新鮮な海の幸が手に入る

紅ズワイガニは「富山湾の冬の使者」と呼ばれている。6~8月までの禁漁期間を終えて9月になると、紅ズワイガニの漁が始まる。富山湾で水揚げされる紅ズワイガニは、北アルプスの山々から流れ込む良質なプランクトンの影響もあって育ちがよく、栄養価が高いそうだ。紅ズワイガニの漁場が近い新湊漁港では、全国的にも珍しい「昼セリ」が行われている。朝獲れの新鮮な海の幸が、その日のうちにいただけるのは新湊ならではだと思う。

新鮮な紅ズワイガニが並べられる
昼セリ前にお話してくださった、棚辺さん

その時によって変動する漁獲量

新湊の昼セリは、12時30分からスタート。12時ごろから真っ赤な紅ズワイガニが並べられ、その様子は”赤い絨毯”と表現されることもある。観光客向けの見学通路があるので、昼セリに興味を持ったら、ぜひ一度見てみてほしい。漁獲量は天候や船の具合に左右され、獲れるカニの種類によっても変わってくる。甲羅が柔らかいカニと硬いカニがあるそうで、柔らかいものは茹でると身が残らないので、加工用にされることがほとんど。カニを丸ごと販売する際は、甲羅が硬く重さもずっしりしたものを選んでいる。

昼セリが始まると、一斉に人が集まる
セリ落とした紅ズワイガニを積み込む

鮮度を保ったまま、茹で上げる

新湊漁港から車で5分もかからない好立地にある『棚辺水産』。カニは生のままだと鮮度が落ちてしまうため、素早く茹で上げるのが鮮度を保つ秘訣でもある。かごに入った紅ズワイガニをそのままボイラーに入れて塩茹で、沸騰して15分ほど茹で上げる。固まりのようなアクが出てきて、磯の香りがふわっと漂ってくる。茹で上がったらボイラーから取り出し、水洗いでアクを落としていくのも大事な作業のひとつ。艶々とした紅ズワイガニが、一段と美しく見えた。

新鮮なうちに、塩茹でされる
固まりになったアクは、水洗いで落とす

そのまま食べるのがおすすめ

カニの重さや大きさを見ながら、手際よく選別していく。『棚辺水産』では事前に予約注文をいただくこともあり、オーダーと店頭用に分けられる。価格は仕入れによって変わるので、どうしても時価になってしまうそうだ。「とやまもの」では、600g以上2杯を一律料金にしているが、店頭に出す価格設定とほぼ変わらない。おいしい紅ズワイガニを、たくさんの人に味わってほしいという想いが込められている。おすすめの食べ方を聞いたら、「そのままが一番」とのこと。

そのままでもおいしい、紅ズワイガニ
重さや大きさを確認しながら選別する

一年を通して、富山の味が揃う

『棚辺水産』には紅ズワイガニのほかに、白エビの商品も数多くある。「富山湾の宝石」と呼ばれる白エビは、淡いピンクがかった透き通るような白さが美しい食材。白えびの漁は、4月~11月末までだが、独自の冷凍方法により新鮮な白エビのむき身を一年間にわたって安定的に提供している。一年を通して白エビがあり、冬になると紅ズワイガニがお目見えする『棚辺水産』。新湊漁港の近くで富山の海の幸が手に入るお店へ、足を運んでみては。

仕入れ次第では、店頭にも並ぶ
白エビも、ぜひ味わいたい